ゲーミングキーボードの選び方
更新日 2021年11月1日 | 公開日 2019年11月28日
自分に合った自分にとって良いゲーミングキーボードを選べるようになるために、初心者向けに分かりやすく丁寧に解説したページです。
- ◆ゲーミングキーボードとは?
- ◆キーボードの配列・形状・機能などについて
- ◆キースイッチについて
- ◆メンブレン
- ◆メカニカル
- ◆静電容量無接点方式 (RealForce)
- ◆光学と磁気 (OmniPoint)
- ◆選び方
【ゲーミングキーボードとは?】
ゲーミングキーボードはゲーム操作に適したキーボードとなりますが、キーボードはマウスやモニター(ディスプレイ)とは違い【ゲーミングモデルと一般向けモデル】との明確な差はあまりありません。 要は【耐久性があり、キーが重くない (45g前後の荷重)】ならゲーミング用途のキーボードとして機能します。
ただキースイッチの種類は【メンブレン・メカニカル・静電容量無線点方式・光学・磁気】と豊富にあり、追加キーは欲しい方にとっては必須ですし、キーロック機能(ゲームモード)はゲーム中の誤操作を防止します。種類や製品数が豊富で選択肢が広く機能も豊富、また設定ソフトで色々と設定もできるのがゲーミングキーボードです。
このページではゲーミングキーボードの【配列・形状・接続方法・キーロック機能・追加キーなどについて】と、【キースイッチについて】の解説をして、最後に選び方についてまとめています。要点だけを知りたい方は下の【選び方】へ飛んで下さい。
【キーボードの配列・形状・機能などについて】
【キー配列(日本語と英語)】【キーロック機能】【フルキーボードとテンキーレス】【追加キー】【有線と無線】【ロールオーバー】【アンチゴースト】【バックライト】について順に解説していきます。
【日本語配列・英語配列】と【キーロック機能】
キーボードのキー配列には様々な配列が存在しますが、国内で使用される主な配列は【日本語配列】と【英語配列】の2つになり、日本語配列の方が圧倒的多数です。日本語は【ひらがな】の他に【カタカナ・漢字】も使用するため【変換】という工程が必要で、また日本語入力モードと英語入力モードを切り替えるキーも必要になり、それらのキーを足したキー配列が【日本語配列のキーボード】になります。
◆【半角/全角】【変換】【無変換】【カタカナ/ひらがな】のキーを増設。
◆記号などの配置を変更。
◆【Enter】や【Back Space】などのキーの形を変更。
下の画像は【日本語配列】と【英語配列】の画像。赤枠・青枠でくくっているキーが相違点。
英語配列が適しているのはプログラマーの方になります。 ゲーマーも操作ミスを嫌って英語配列を使用する人はいます。【半角/全角キー】がなければ下記のミスが起こらないからです。
キーボードの操作に慣れてくれば、ほぼ操作ミスを起こさなくなりますが、現在のキーボードは専用ソフトに【キーロック機能】(ゲームモード)があり、それを使えば【半角/全角キー】を押しても反応しなくなるという事が可能で、さらに【Windowsキー】や【Caps Lockキー】【無変換キー】などもロック可能です。
また中には全てのキーのキーマッピングを変更できる製品もあります。【Caps Lockキー】と【Ctrlキー】を入れ替えたり【変換とカタカナ/ひらがな】を【HomeとEnd】に変更したりと任意にキー設定ができます。そのためゲーム操作目的で英語配列を選択しなくてもよくなり、英語配列に慣れている方やプログラマー兼ゲーマーという方以外は、日本語配列をお勧めします。また当サイトのお勧めゲーミングキーボードは全て日本語配列になります。
ちなみに専用ソフトがない、または対応していない場合でも【Change Key 】などのソフトを使えばキーマッピングの変更は可能ですし、Windows10の設定で日本語配列から英語配列へ変更する事で可能となります。 具体的な方法はコチラのページへ。
【フルキーボードとテンキーレス】
下は【フルキーボード】と【テンキーレス・キーボード】の画像になります。
キーボード右側の電卓の様な部分がないのが【テンキーレス (10キーレス)】のキーボードになります。逆にその部分があるキーボードを【フルキーボード】と呼びます。
現在のゲームではテンキーの部分のキーを使うゲームはほぼないため、テンキーの部分を無くし代わりにマウスの操作領域に余裕を持たせる、という利点がテンキーレスにはあります。また見た目もスッキリです。
【フルキーボードか? テンキーレスか?】は好みになるため、好きな方でオッケーです。
【追加キー】
ゲーミングキーボードの中には、いくつかの便利な追加キーのある製品があります。
【メディアキー】は動画や音楽の再生・一時停止・音量調節・次の曲(動画)へなどのコントロールを行えるキーになります。製品によってキーの数は違います。
【マクロ専用キー】は任意に設定した処理を実行するキーです。簡単なモノだと【コピー(Ctrl+C)】や【ペースト(Ctrl+V)】などをマクロ専用キーに設定し、1つのキー操作でコピーやペーストなどの複数キー操作を実行可能にするなどに使います。もちろんもっと複雑な設定も可能です。
ただ競技性のある対戦ゲーム(e-Sportタイトル)では、1つのキーで複数のキー操作などを実行すると、一種のハードウェア・チートとみなされ最悪BAN(※)されます。 そういうゲームをプレイする場合は【1キー・1アクション】が基本なため注意が必要です。また連射機能もNGです。
【Fnキー】はノートパソコンではお馴染みですが、ゲーミングキーボードには【Fnキー】を搭載しているキーボードは多いです。【Fnキー】と他のキーを組み合わせてソフトの起動やLEDの制御など、様々な処理を実行できます。
その他としては【キーロック機能をオンオフするキー】や【LEDをオンオフするキー】などがあります。【追加キー】の有無も好みになります。
【有線と無線】
【有線・無線】というのはキーボードとパソコンの接続を【有線(ワイヤード)で接続するか】【無線(ワイヤレス)で接続するか】という事です。有線接続には【USB】と【PS/2】の2つ、無線接続にも【2.4GHz帯】と【Bluetooth】での2つの接続方法があります。
有線接続では【USB】が主流で、現在販売されている有線接続のゲーミングキーボードはほぼUSB接続の製品になります。 【PS/2】はUSBが生まれる前からあるキーボードとマウスを接続する規格で、現在では古い機器や規格を指す【レガシーデバイス】に入っています。
後述する【同時押し】についてはUSBよりもPS/2の方が優れていますが、USBでもPS/2並の同時押し能力のあるキーボードも出てきた事、【PS/2端子】を装備したマザーボードがドンドン少なくなってきている事、PS/2接続のゲーミングキーボードも非常に少ない事により、有線接続なら【USB】をお勧めします。 というか、ほぼUSB接続しか選択肢がないです。
無線接続ではゲーミングとしてガッツリと使うなら【2.4GHz帯】一択になります。 【Bluetooth】は汎用の無線規格なため遅延や接続不良が【2.4GHz帯】よりも多く、ゲーム用途ではお勧めできません。【2.4GHz帯】と【Bluetooth】の両方に対応した製品の場合は、特別な理由がない限り【2.4GHz帯】で接続しましょう。
また現在のゲーミングキーボードの【2.4GHz帯】の無線技術は優れているため有線と遜色ない操作感を実現しています。そのため【有線接続か? 無線接続か?】は個人の好みになってきます。 ただ無線は有線よりも値段が高くなります。
【ロールオーバー】
【ロールオーバー】とは何個までのキーの同時押しに対応しているのか?を表します。 2つまでのキーの同時押しに対応していたら【2キー・ロールオーバー】、6つまでのキーの同時押しに対応していたら【6キー・ロールオーバー】という具合です。
【有線・無線】で解説した【PS/2接続は全てのキーの同時押しに対応】します。対して後発ですが【USB接続は6キーまでの同時押しに対応】します。そのため全キー同時押しできるPS/2接続のキーボードを現在でも使用する方はいます。
ただ今のゲーミングキーボードはUSB接続でも6キー以上の同時押しが可能なキーボードばかりで、なかには全キー対応という製品もあります。ハードウェア上では1つのキーボードをパソコンに接続しますが、ソフトウェア上では複数のキーボードが接続されているとOSに認識させる事で、6キー以上の同時押しを可能にしたという仕組みです。ですのでUSB接続だから6キーまでという事はないです。
ロールオーバーには【Nキー】という、ややこしいモノもあります。PS/2接続でNキーと表記があれば全キー対応ですが、USB接続でNキーという表記のみなら同時押しは6キーまでですが認識は6キー以上になります。
具体的には【1・2・3・4・5・6】と順に6つのキーを押し、押したキーはそのまま押し続け6つ同時押しの状態にしつつ、新たに【7】のキーを押した場合(7個のキーを同時押しした場合)は、【2・3・4・5・6・7】の6つのキーが押されている判定になり、最初に押した【1】のキーは押されていない判定になるのがUSB接続での【Nキー・ロールオーバー】になります。ただUSB接続で【Nキー・ロールオーバー】と表記されていても同時押しは6キー以上や全キーに対応しているキーボードは多いです。
また普通のゲームなら6キー以上を同時に押す事はなく、多くても4キーや5キーぐらいまでなため、ロールオーバーはキーボード選びでの重要な要素にはあまりなりません。 が、もちろん6キー以上必要なゲームもあり【音ゲー】がそれです。音ゲーをキーボードでプレイするならロールオーバーもキーボード選びの重要な要素になります。あとローカル環境で2人同時プレイで1つのキーボードを2人で共有してプレイするようなゲームも同時押し数に注意が必要です。
【アンチゴースト】
現在の有名メーカーのゲーミングキーボードには、全てアンチゴースト機能が付いているため気にしなくていい項目です (非常に値段の安いキーボードや、メーカーやブランドがよく分からないようなキーボードなどは対応していないかもしれません)。
簡単に説明するとアンチゴーストとは、ほぼ同時押しや超高速タイピング時などのキーの押下判定の検出不良を起こさない機能の事です。
【リストレスト】
リストレスト(Wrist Rest)とはキーボードの下部に設置する【手首置き】の事です。手首をリストレストに置く事で楽にタイピングする事が可能になります。必須というアイテムではないですし、逆にあると疲れるや邪魔という方もいますので好みになります。
ゲーミングキーボードに付属しているリストレストは着脱式が多いですが、中にはリストレストと一体型になったゲーミングキーボードもあるため注意が必要です。またリストレストは確立されている商品ジャンルで、単品で購入できるため後から追加する事は可能です。素材は【プラスチック】【木(木材)】【低反発な素材】などがあります。
【バックライト】
ゲーミングデバイスは【とりあえず光らせとけ】という流れなので、ほとんどのゲーミングキーボードは光ります。発光にはLEDを使用しています。【1つの色の単色】と【様々な色を利用できるRGB】の2種類があります。もちろん【オフ】にする事も可能です。
暗い部屋でのキー確認や、単純にイルミネーションを楽しんだり、また対応していればですがゲーム中のアクションに連動して光ったり、外部ソフト (Discordなど)と連携して何かを通知した時に光らせる、という事もできます。
【キースイッチについて】
キーボードのキースイッチについて、【キーピッチ】【アクチュエーションポイントとキーストローク】【荷重】【クリック感】の解説を順にしていきます。
【キーピッチ】
キーとキーの間隔の事で19mmが標準。ゲーミングキーボードは19mmの製品しかないので気にしなくていい項目になります。もし19mmより狭いキーピッチのゲーミングキーボードがあったとしてもお勧めはしません。キーピッチが狭いと打ちにくく、また誤入力率も上がります。
【アクチュエーションポイント】と【キーストローク】
キーボードはキーを押し、キーのスイッチをオンにする事で入力を実行しますが【スイッチがオンになる位置】と、【キーを最大まで押し込められる位置】の2つの位置があり、その位置まで到達する長さの事を【アクチュエーションポイント】と【キーストローク】と呼びます。
◆キーを最大まで押し込められる長さ(距離)が【キーストローク】
アクチュエーションポイントが短ければキーを押し込んですぐにスイッチがオンになり、長ければ少し押し込んでからスイッチがオンになります。2.0~3.0mmが標準ですが、1.2mmや1.0mmなどの非常に短い製品も出てきています。
短い分だけ速く入力されるため、ゲームではレスポンスが速く、すぐに反応できるなどの理由からアクチュエーションポイントの短い製品の人気が出てきています。また高速タイピングにも適しています。ただある程度の慣れが必要です。
キーストロークは4.0mmが標準ですが、アクチュエーションポイントが短いと比例して短くなります。キーストロークまでシッカリとキーを打つ事を俗に【底打ち】と言います。底打ちするか、しないかは個人の好みや癖になります。高速タイピングは底打ちをしない傾向です。
【荷重】
キーにはスプリングなどが仕込まれていて、このスプリングなどの重さ(反発力)を荷重といいます。45gが標準で、30gが軽い荷重で、60gが重い荷重などとなります。 重いとキーを打つのに力が必要になり、軽いと少しの力でキーを打てます。
慣れれば問題ないですが【30g】だと人によっては指を置いただけで反応した、という事も起きます。また荷重が重いと疲れやすいです。一般キーボードと同じく、ゲーミングキーボードも【45g】がスタンダードです。
【クリック感】
クリック感とはキーを押した時に【カチッ】というクリックした感覚の有無になります。 クリック感があると誤入力防止にはなりますし、また単純に打っていて気持ちがいいです。ただクリック感があると高速タイピングには向きません。
下表は各スイッチでのクリック感の有無。【光学】と【磁気】のスイッチは、基本的にはクリック感がないのですがクリック感のある・なしの両方をラインナップしている製品もあります。
スイッチ | クリック感の有無 |
---|---|
【メンブレン】 | ❌ |
【メカニカル】 | キーによる |
【静電容量無接点方式】 | ❌ |
【光学】 | キーによる |
【磁気】 (OmniPoint) | キーによる |
またメカニカルの青軸や光学と磁気で青軸風のスイッチは、クリック音が大きいため周りにクリック音を撒き散らしてしまい、近くにいる人やヴォイスチャットの相手などにとっては非常に迷惑となる場合が多いです。 ゲームプレイの【カチャカチャ音】をずっと聞かされるとマジでヤバイですので気を付けて下さい。
以上が【キースイッチについて】の解説で、次からは各キースイッチの紹介になります。
【メンブレン】
メンブレンは安価に製造できるため製品の値段も安くなりますが耐久性は低いです。ゲームの操作は特定のキーを異常に押す事が多いため、その部分のキーは壊れやすいです。そのため耐久性が重要になります。ですのでゲーム用途でメンブレンはお勧めしませんが、とにかく安いゲーミングキーボードが欲しい方にはお勧めできます。
【メカニカル】
ゲーミングキーボードで最も普及しているのが【メカニカル】です。耐久性があり、キーが壊れたら壊れたキーだけを交換する事も可能なため長く使えます。 使用状況によりますがキーが壊れるまで数年は使えます。壊れたキーを交換すれば、さらに数年は使用できます。また特定のキーだけ他の種類のメカニカルキーに交換なども可能です。
ちなみにキー交換は【はんだ除去+はんだ付け】が必要なので【はんだ】を使った事がない方には敷居が高いかもしれません。ただメカニカルキーボードのキー交換のはんだ作業は【簡単な部類のはんだ作業】です。また【はんだ作業】抜きで簡単にキー交換が可能な製品も出てきています。 logicoolの【PRO X】がキー交換可能なキーボードです。
メカニカルが人気な理由に【キーの種類が多い】事もあげられます。下はメカニカルキーの老舗メーカー【Cherry製のMXスイッチ】のスペック表になります。ゲーミングとしては【赤・茶・青】がよく採用されていて、最近では【スピード銀(スピード)・ロープロファイル赤(ロープロ)・ロープロスピード】も採用されています。その他は一般キーボードや工業キーボードで採用されています。
表の最後にある【Viola】というのはCherryの新型メカニカル・スイッチです。【MX系】よりも低コストのスイッチになります。【MX RED/赤軸】に似たクリック感のないスイッチ。
型番 | 荷重 | アクチュエーション ポイント | キーストローク | クリック感 |
---|---|---|---|---|
【MX RED】 赤軸 | 45g | 2.0mm | 4.0mm | ❌ |
【MX SILENT RED】 静音赤軸 | 45g | 1.9mm | 3.7mm | ❌ |
【MX BLACK】 黒軸 | 60g | 2.0mm | 4.0mm | ❌ |
【MX SILENT BLACK】 静音黒軸 | 60g | 1.9mm | 3.7mm | ❌ |
【MX SPEED SILVER】 スピード銀軸 | 45g | 1.2mm | 3.4mm | ❌ |
【MX LOW PROFILE RED】 ロープロファイル赤軸 | 45g | 1.2mm | 3.2mm | ❌ |
【MX LOW PROFILE SPEED】 ロープロファイルスピード軸 | 45g | 1.0mm | 3.2mm | ❌ |
【MX BROWN】 茶軸 | 55g | 2.0mm | 4.0mm | ⭕ |
【MX BLUE】 青軸 | 60g | 2.2mm | 4.0mm | ⭕ |
【MX CLEAR】 クリアー軸 | 65g | 2.0mm | 4.0mm | ⭕ |
【MX GREEN】 緑軸 | 80g | 2.2mm | 4.0mm | ⭕ |
【MX GREY】 灰軸 | 80g | 2.0mm | 4.0mm | ⭕ |
【Viola】 | 45g | 2.0mm | 4.0mm | ❌ |
下記はゲーミングキーボードで採用されるスイッチのザックリとした説明。
◆MX茶もゲーミングキーボードでスタンダードです。クリック感があります。
◆MX青はクリック感があり、クリック音が非常に大きいスイッチです。打っていて気持ちが良いです。
◆MXスピードはアクチュエーションポイントを短くしたスイッチです。
◆MXロープロは背の低いキートップを採用していて、アクチュエーションポイントも短いスイッチです。
◆MXロープロスピードは背の低いキートップを採用していて、最もアクチュエーションポイントが短いスイッチです。
以前のメカニカルのキースイッチは【Cherry製】がほとんどでしたが、現在は【Cherry製】をモロパクリ、もしくは参考にした物が出てきています。
◆RAZERは独自開発の【Razerスイッチ】を採用。
◆SteelSeriesは【QX2スイッチ】(共同開発メーカーは不明)を採用。
◆HyperXは【HyperXスイッチ】(共同開発メーカーは不明)を採用。
そしてROMER-Gスイッチには【ROMER-Gリニア】と【ROMER-Gタクタイル】の2種類が、Razerスイッチには【Razer緑】【Razer橙】【Razer黃】の3種類がという具合にスイッチの種類が膨大にあり、どれがどんなスイッチなのか分からなくなりそうですが、全てのスイッチはMXスイッチをモロパクリ、もしくは参考にしたスイッチなので【MX赤系のスイッチ】、【MX青系のスイッチ】という風に分別する事ができます。 (完全に一緒ではありません)
下表は【Cherry製のMXスイッチ】と他のメーカーのスイッチで類似性のあるスイッチをまとめた表になります。
MX赤 | logicool | ROMER-Gリニア / GX赤 / GLリニア |
---|---|---|
SteelSeries | QX2赤 | |
HyperX | HyperX赤 | |
MX茶 | logicool | ROMER-Gタクタイル / GX茶 / GLタクタイル |
RAZER | Razer橙 | |
MX青 | logicool | GX青 / GLクリッキー |
RAZER | Razer緑 | |
SteelSeries | QX2青 | |
MXスピード | RAZER | Razer黃 |
以上がメカニカル・キースイッチの解説ですが、どのメカニカル・キースイッチが良いのか?ですが、それは好みになります。 が、初めて買う方は全く分からないと思いますので軽く解説したのが下記です。
◆【MX青系】はクリック音が非常に大きいため、周りに迷惑がかからない環境での使用なら良いと思います。打っていて気持ちが良いです。
【静電容量無接点方式 (RealForce)】
静電容量無接点方式のキーボードはいくつかありますが、ゲーミングキーボードとしてお勧めできるのが東プレから出ている【RealForceシリーズ】なため、ここでは【RealForce】のキースイッチ周りについて説明します。2021年11月現在、最新型のR3モデルが発売され前モデルのR2モデルは終息します。
静電容量無接点方式の利点は【一生物と言われる程の耐久性】です。 チャタリングは起こしませんし、キー自体の耐久性も非常に高いため、1つ買えば一生使えると言われています。【チャタリングが起きない】と聞くだけで欲しくなる人はいると思いますし、耐久性の高いメカニカルよりもさらに耐久性があります。
RealForceの荷重には【30gと45g ※】の2つの荷重があります。スタンダードの45g、軽量の30g。
これは通常のホームポジションなら非常に軽快なタイピングを可能にしますが、ゲームのホームポジションは通常のホームポジションと違うため逆に打ちづらくなります。そんためゲーム用途では【変荷重】は不向きな荷重となります。ただ死ぬほど打ちづらいとまではいきません。
RealForceにはAPC機能があります。 APCとは【アクチュエーション・ポイント・チェンジャー】の略で、アチュエーションポイントを4段階【0.8mm / 1.5mm / 2.2mm / 3mm】に調節が可能です(R2モデルは3段階)。APCは1キー単位から調節できます。R3モデルは全モデルがAPC対応で、R2モデルは一部のモデルで非対応です。
キーキャップの下に【キースペーサー】という弾力性のあるスペーサーを挟む事でキーストロークを短く調節できます。キースペーサーは【2mm厚・3mm厚】の2種類が付属。APC搭載モデルとRGBのAPC搭載モデルでは付属のキースペーサーが違ってきます。バラバラの方がRGBモデルに付属されています (単品販売もされています)。キースペーサーはR2モデルに付属で、R3モデルではキースペーサーはなくなっています。
キー刻印について。RealForceのキーの刻印は【昇華印刷】【レーザー刻印】【2色形成 (2つのキーキャップを合わせている)】の3種類あります。【昇華印刷】と【2色形成】は剥げませんが【レーザー刻印】はずっと使用していると印字がだんたんと剥げていきます。
下表はRealForceのキースペック。
型番 | 荷重 | アクチュエーション ポイント | キーストローク | クリック感 |
---|---|---|---|---|
R3モデル | 30g 変荷重 45g | 0.8 / 1.5 / 2.2 / 3.0mm (4段階に調節可能) | 4.0mm | ❌ |
APC搭載 (R2モデル) | 30g 変荷重 45g | 1.5 / 2.2 / 3.0mm (3段階に調節可能) | 4.0mm (キースペーサーで調節可能) | ❌ |
APC非搭載 (R2モデル) | 45g | 3.0mm | 4.0mm | ❌ |
カスタマイズ性があり、耐久性が高いキーボードです。 ただクリック感は皆無なのでクリック感が欲しい方は避けた方がいいです。
【光学】と【磁気 (OmniPoint)】
光学スイッチは、光を検知する【光学センサー】を採用したスイッチです。スイッチの仕組みは違いますが光学スイッチは静電容量無接点方式と同様にチャタリングを起こさず、また高い耐久性を実現しています。 ずっとZOWIEの【CELERITAS II】のみが採用していましたが、最近RAZERからも光学スイッチ採用のキーボード【Huntsmanシリーズ】が出てきました。
OmniPointは【SteelSeries】と【Huizhou Gateron Electronic Technology製(Gateron)】が共同開発した新たなスイッチです。磁気を検知する【アナログホール効果磁気センサー】を採用したスイッチなので【磁気スイッチ】とでも言う感じ。
キー1つずつに磁石が仕込まれていて、キーが押されていく事で磁力が上がり、ある一定の磁力になったらスイッチがオンになる、という仕組み。そのためスイッチオンになる磁力を変更する事でアクチュエーションポイントを変更する事が可能となっています。 【0.4~3.6mmの幅を10段階で調節】できます。
キーの構造上【磁気スイッチ】も【静電容量無接点方式スイッチ】や【光学スイッチ】と同様にチャタリングを起こさず、また高い耐久性を実現しています。
【選び方】
ゲーミングキーボードの具体的な選び方についてですが、ゲーミングマウスやゲーミングモニターとは違いゲーミングキーボードはプレイするゲームで選ぶ物が違ってくるという事にはなりません。
FPS・TPS・MOBA・RTSの対戦ゲームだと、それ向けのゲーミングマウスやモニターを使うと成績が良くなる傾向ですし、多ボタンなゲーミングマウスは操作が楽になり、大画面やウルトラワイドのモニターやヴァーチャルサラウンドのヘッドセットだと没入感が増します。
上記のようなゲームに直で影響する要素はゲーミングキーボードにはありません (追加キーは多ボタンのマウスのような使い方ができるため操作が楽にはなります)。ですので、どのゲーミングキーボードにするのか?というのは【好み】になります。まとめたのが下記です。
◆【フルキーボードとテンキーレス】【有線と無線】は好み。
◆便利なモノとして【追加キー】や【キーロック機能】などがある。
◆値段の安さなら【メンブレン】。
◆【メカニカル】は様々な感触のあるスイッチを選べる。
◆高い耐久性とチャタリングを起こさないのが【静電容量無接点方式・光学・磁気】の各スイッチを採用したキーボード。