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スペックの見方
【モニター (ディスプレイ)】

更新日 | 公開日 2022年9月24日

スペックの見方【モニター (ディスプレイ)】のトップ画像

このページは、モニター (ディスプレイ)のスペックや機能について解説しています。

目次
  1. スペックの見方【モニター】
    1. モニターの種類
    2. 液晶パネルの種類
    3. 画面アスペクト比と画面解像度と画面サイズ
    4. 視野角
    5. 表面処理
    6. 平面モニターと曲面モニター
    7. 表示色
    8. 色域
    9. 輝度
    10. コントラスト比
    11. HDRとDisplay HDR
    12. リフレッシュレート
    13. 応答速度とオーバードライブ
    14. 垂直同期
  2. 機能について
    1. 眼精疲労を軽減する機能
    2. モーションブラー軽減機能
    3. 明るさ調整機能
    4. 表示機能
    5. モニターのキャリブレーション
    6. ソフトウェア・キャリブレーションとハードウェア・キャリブレーション
    7. キャリブレーション・センサー
    8. 遮光フード
    9. 周辺機器との接続
    10. KVM機能
    11. スピーカー
    12. PIP機能とPBP機能
  3. その他
    1. 位置調節とモニタースタンドとVESA規格
    2. ベゼル
    3. OSDの操作方法
    4. モニターの付属品
  4. 関連ページ
◆2024年11月15日
・「応答速度とオーバードライブ」の項目に【ClearMR】を追加。「垂直同期」の項目内のFreeSyncの要件が上がったため追記。また「応答速度とオーバードライブ」と「垂直同期」の全体の文章も手直し。

◆2023年1月17日
・「垂直同期」の項目に【HDMI 2.1のVRR】を追加。 ◆2022年9月24日
・記事を公開。

【スペックの見方】

モニターのスペックを1つずつ見ていきます。

【モニターの種類】

モニターにはいくつかの種類があり、以前は【ブラウン管】が主流でした。現在は【液晶】が主流で、【有機EL (OLED)】も出始めました(iPhoneに採用された事で一気に知名度が上がった)。また有機ELの次は【マイクロLED】になると言われています。

まず現在主流の【液晶 (LCD / Liquid Crystal Display)】について解説します。ポイントは【バックライトが必要でバックライトに使われるLEDは白色の1種類】【液晶パネルで光を制御】【カラーフィルターで色を作る】という事。実際はもっと多層な構造ですが【バックライト・液晶パネル・カラーフィルターの3層構造】になります。

液晶の画像

液晶パネルの部分には主に【TNパネル・IPSパネル・VAパネル】の3種類があり、パネルによって特性が違ってきます。液晶パネルについては下で解説しています。


次に【有機EL (OLED)】について。青色LEDが発明された事により、液晶パネルのカラーフィルター部分を【赤・緑・青(RGB)の3つのLEDにし、光らせ制御させれば3層を1層にできるかも!?】という事で生まれたのが有機ELとイメージすると分かりやすいと思います。

有機EL (OLED)の画像

3層から1層になったため液晶よりもさらに薄くなり、折り曲げる事も可能で、消費電力も少なくなりました。画質の点ではLEDを消す事で黒を表現するため黒が本当の黒になりました(液晶は黒を表現する時もLEDを光らせる必要があるため明るい黒のような感じ)。

ただし有機ELは【焼き付き】という問題があります。 焼き付きとは画面に同じ表示を映し続ける事で、その表示が画面上に焼き付いて残ってしまう現象です。特に【ゲームのUI】(ミニマップ・装備・スキル・情報系など)の表示や【クリエイターソフトのUI】(ファイル・編集などやソフト特有のUIなど)の表示は、ゲーム中や作業中にずっと映し続けるためゲームやクリエイトは焼き付きを起こしやすい用途となります。またゲームやクリエイトは長時間やってしまいがちなのでなおさらです。あと有機ELは液晶よりも高額になります。


最後に【マイクロLED (Micro LED)】ですが、構造は有機ELと同じ1層構造で有機ELの焼き付き問題を解消した物になります。またコントラスト比もより広くでき、ゲーマー的には応答速度が速いというのもポイントとなります。いわゆる最強のモニター。

ただし製品化にはまだまだ時間がかかる状況です。名前の通り微細なLEDを多く使用するためコストがかかります。製造法の改良などで製造コストが下がるまで気長に待つ感じです。


余談ですが最近、製品化された【ミニLED (Mini LED)】は名称からマイクロLEDの前段階的なモニターっぽく思えますが、液晶の【バックライトのLED】を従来より小さくしただけという製品で、構造はマイクロLEDではなく液晶です。従来の液晶より繊細な画質を実現しますがマイクロLEDとは全くの別物になります。

【一般向け】【ゲーミング】【クリエイター向け】のどれも液晶が主流です。 一般向けで画質重視なら有機ELモニターも選択肢に入る感じです。ゲーミングとクリエイター向けは焼付きの懸念があるため有機ELはあまりお勧めしません (長時間やらないライトゲーマーやライトクリエイターならありです)。

【液晶パネルの種類】

【液晶パネル】には、主に【TNパネル】【IPSパネル】【VAパネル】の3種類があります。

それぞれ得意分野があります。
応答速度のTNパネル (残像が出にくい)
色のIPSパネル (色鮮やか)
コントラストのVAパネル (黒が綺麗)

各パネルには得意分野がある反面、不得意分野もあります。まとめたのが下記。

パネル応答速度コントラスト得意な用途
TNパネル動きの速いゲーム
IPSパネル一般用途
動画鑑賞(色重視)
動きの遅いゲーム
クリエイト
VAパネル動きの遅いゲーム
動画鑑賞(コントラスト重視)
◆一般向けは【IPSパネル (色重視)】か【VAパネル (コントラスト重視)】がお勧めです (主流はIPSパネル)。

◆ゲーミングはアクション性のある対戦ゲーム (FPS・TPS・MOBA・RTS・FG)を主にプレイするなら【TNパネル】。幅広く色々なゲームをプレイするなら【IPSパネル (色重視)】か【VAパネル (コントラスト重視)】。対戦ゲームをプレイするもガチ勢ではなくエンジョイ勢の人や、対戦ゲーム以外に動画鑑賞も楽しみたい人は【TNパネル】ではなく【IPSやVAパネル】も全然ありです。

◆クリエイター向けは【IPSパネル】です (ほぼIPSパネルの製品しかないため)。

【画面アスペクト比】と【画面解像度】と【画面サイズ】

【画面アスペクト比】と【画面解像度】と【画面サイズ】の3つはそれぞれ違う事柄ですが密接に関係しているため、まとめて解説します。下の表はざっくりとした説明です。

画面アスペクト比
[Display Aspect Ratio]
横縦比】の事16:9や16:10、21:9など。
画面解像度
[Display resolution]
画素数】の事1920x1080や3840x2160など。
画面サイズ
[Display Size]
大きさ】の事24インチや32インチなど。
(もしくは24型や32型など)

まず【画面アスペクト比】は画面の横と縦の比率を表します。【アス比】と略して使う事も多いです。見た目が全く違うため判別が簡単です。現在のモニターの主流は【16:9】、以前は【4:3】でした。最近ではさらに横長な【21:9】や【32:9】というモニターも出てきています。

アスペクト比の画像

主要なアスペクト比をまとめたのが下記。

画面アスペクト比一言
【16 : 9】現在の主流。テレビもコレ。
【21 : 9】16:9よりも横長なアス比。
ゲーマーやクリエイター、アナリストなどに人気。
【32 : 9】16:9のモニター2枚分のアス比。
ゲーマーやクリエイター、アナリストなどに人気。
【16 : 10】製品数は少なくなりましたが、今でも根強い人気のアス比。
クリエイター向けが多い。
【3 : 2】MicrosoftのSurfaceが採用しているアス比で有名。
【4 : 3】以前の主流。最近のiPadはこのアス比。
見開きの漫画がほぼスッポリ入る比率。
【一般向け】【ゲーミング】【クリエイター向け】のどれも【16:9】が主流です。 次に【21:9】が人気。クリエイターには【16:10】も人気。【32:9】はこれじゃないとダメという用途が決まっている人用。なんか凄そうだからと【32:9】を買うのはお勧めできません。

次に【画面解像度】は画素数を表し、この数値が大きいほど高画質・高精細になります。主要な画面解像度には名称が付いています。動画配信サイトや定額制の動画配信サービスが盛んになっているため目にする機会が増えました(HD画質・FHD画質・4K画質などです)。

下は主要な画面解像度の【名称】と【解像度】と【アスペクト比】の一覧になります。

名称画面解像度画面アスペクト比
VGA
Video Graphics Array
640 x 480【4 : 3】
HD
High Definition
(横が約1000ピクセルで1Kと呼ばれる事も)
1280 x 720【16 : 9】
FHD
Full High Definition
(横が約2000ピクセルで2Kと呼ばれる事も)
(FullHDやフルHDと表記する事も)
1920 x 1080
WQHD
Wide Quad High Definition
(WQHDを2Kと呼ぶ事もあるため混同に注意)
(WQHDではなくQHDと表記するメーカーもあります)
2560 x 1440
4K
4000 pixels
(横が約4000ピクセルで4K)
3840 x 2160
8K
8000 pixels
(横が約8000ピクセルで8K)
7680 x 4320
WUXGA
(Wide Ultra eXtended Graphics Array)
1920 x 1200【16 : 10】
WQXGA
(Wide Quad eXtended Graphics Array)
2560 x 1600
Ultra Wide
ウルトラワイド
(FHDを横長にしたモノをU-FHDと呼ぶ事もあります)
2560 x 1080
(U-FHD)
【21 : 9】
3440 x 1440
(U-WQHD)
5120 x 2160
(U-4K)
Super Ultra Wide
スーパーウルトラワイド
(FHD2枚分のモノをSU-FHDと呼ぶ事もあります)
3840 x 1080
(SU-FHD)
【32 : 9】
5120 x 1440
(SU-WQHD)
【一般向け】【ゲーミング】【クリエイター向け】のどれも【FHD】が主流です。 次点で【WQHD】と【4K】が人気で、【ウルトラワイド】【スーパーウルトラワイド】と続きます。【WUXGA】はクリエイターに人気。

最後に【画面サイズ】は画面の大きさを表し、画面の対角線の長さ(インチ / inch)の事になります。対角線の長さが24インチ(60.96cm)だったら24インチのモニター、32インチ(81.28cm)だったら32インチのモニターとなります。

画面サイズの画像

ただ日本では計量法の規定があるためメーカーは【インチ】という言葉が使えず代わりに【型】を使います。ですので画面サイズの事だと【インチ=型】となり【24インチは24型、32インチは32型】と呼びます。ぶっちゃげ、どちらでも通じます。

注意点は現在のテレビはアスペクト比が【16:9】だけなのでインチが大きい方が大きなテレビとなりますが、モニターの場合は【16:9】【16:10】【21:9】【32:9】など、いくつかのアスペクト比があり、画面サイズは画面の対角線の長さなので同じ32インチでも【16:9】と【21:9】のモニターではサイズ感が違ってきます。

そのため画面サイズは【アスペクト比別】に考えて下さい。

【一般向け】【ゲーミング】【クリエイター向け】のどれも主流は【16:9の24インチ】になります。 次に27インチ、32インチと続きます。ちなみに24インチと表記されたモニターでも実際には23.8インチ、24インチ、24.5インチなど微妙にサイズが違ってくる事は多々あります。

【16:9の24インチ】が主流なのはパソコンはテレビと違い操作するため画面端にもよく視線を動かしマウスカーソルを持っていきます。またゲームだと画面端に重要な項目が表示される事が多いため、ひと目で画面全体を見渡せるサイズが適しています (人によっては【24インチ】は小さいから【27インチ】がいいという方もいますし、モニターとの距離も関係してきます)。

ただし動画鑑賞が主な用途や画面端は大切でないゲームを主にプレイする人だと大画面のモニターは臨場感が増すためお勧めです。また画面端はそこそこ見るが、それよりも多くの物を表示させたい場合は大画面で高解像度なモニターがお勧めです。 一般用途だと色々なソフトを同時に見たいなど、ゲームだとMMOなどの様々なUIを表示させたいなど、クリエイターだと作業スペースが増します (モニターを2枚、3枚にするという手もあります)。

【視野角】

視野角(Viewing Angle)はモニターの視野の広さの事です。正面から見たコントラスト比や色を基準として、垂直(上下)や水平(左右)から見た時に、どの角度までなら正面と同じに見えるか?を表した数値。単位は度(角度)。

下の画像は【赤線は視野角が広く青線は視野角が狭い】を表しています。

視野角の画像

一般的にIPSパネルは視野角が広く、TNパネルは視野角が狭いです(昔のTNパネルは現在のTNパネルよりもっと狭かった)。

パネルの種類視野角 (垂直/水平)
現在のTNパネル【160度/170度】
IPSパネル【178度/178度】
VAパネル【178度/178度】

ただ視野角の狭いTNパネルを採用するモニターは27インチぐらいまでで、TNパネルで視野角の問題が顕著になる32インチ以上やウルトラワイドのモニターでは、TNパネルを採用した製品は少なくVAパネルかIPSパネルを採用しています。これは画面サイズによって適切なパネルが割り当てられている、という事です(ウルトラワイドだけど応答速度重視でTNパネルという製品も中にはありますが)。

視野角は、あまり気にしなくてオッケーです。斜め横からパソコンを見ながら操作する事はまずないと思われるので (複数のモニターでもモニターの角度を調整すれば上下左右のモニターも正面から見れます)。レアケースですが、常時複数人でモニターを見る場合は【TNパネル】の液晶は避けた方が無難です。

【表面処理】

表面処理(表面加工 / Display Surface)とは、モニターの表面が【光沢仕様】か、【非光沢仕様】かの事になります。暗い画面やモニターの電源を消している時に自分が映り込むのが【光沢】です(鏡のような感じ、スマホやタブレットは光沢)。【非光沢】は自分が映り込みません。

メリット・デメリットが下記。

光沢 (グレア)
・色が鮮やかで、黒が引き締まってコントラストが高い。
・映り込み(自分の姿や背景)や、光り(太陽光や照明)を反射する。
・目への負担は非光沢よりある。
・傷つきやすいため掃除は丁寧さが必要。

非光沢 (ノングレア)
・色の鮮やかさやコントラストは光沢に劣る。
・映り込みがなく、光りを反射しにくい。
・目への負担は光沢より軽い。
・傷つきにくいため、雑に掃除しても大丈夫(限度はあります)。
現在の主流は【非光沢 (ノングレア)】です。 光沢モデルのモニターは非常に少なくなっています (タッチパネルのモニターには光沢が多いです)。

【平面モニターと曲面モニター】

モニターの形状が平面(フラット / Flat)なのが平面モニターで、普通のモニターは平面です。曲面モニターはモニター形状が曲面(カーブ / Curve)しているモニターを指します。 湾曲モニターと呼ばれる事もあります。下の画像はASUSの曲面モニター【ROG SWIFT PG35VQ】を斜め上から見た画像。

曲面モニターの画像

曲面は横長モニターのウルトラワイド(21:9)やスーパーウルトラワイド(32:9)でよく採用されています。アスペクト比16:9のモニターでも採用している製品もあります。利点は臨場感が上がり没入感が増す事で、動画鑑賞や車を運転するゲームなどで効果的です。またウルトラワイドの場合は画面端が平面より見やすくなります。

欠点は正確さに欠ける事です。文章が少し読みにくくなりますし (雑誌や冊子などを湾曲させて読むとイメージしやすい)、直線が少しですが曲がるのでイラストを描いたりなどには向きません。また90度回転させての縦長での使用は想定されていないためピボット機能はないです。

曲がり具合は【パネル表面曲率】などと呼ばれ単位は【R】になります。数値が小さいほど湾曲しています。例えば【2000R】より【1800R】の方が曲がっています。

主流は【平面モニター】で【曲面モニター】の製品数は少ないです。 ウルトラワイド・スーパーウルトラワイドは横長なので曲面が多い。

【表示色】

表示色(Display Color)はモニターが表示できる色の数になります。主流は約1677万色(RGB各色8bit)です。

■RGB各色8bitとは?

まずRGBは【Red(赤)Green(緑)Blue(青)の略】
次に8bitは【2の8乗で256段階

そしてRGB各色8bitは【赤・緑・青の各色を256段階で表示する】という事で【R(256) x G(256) x B(256) = 16,777,216色(約1677万色)】になります。RGB各色8bitを【8bitカラー】と表記する事も多いです。

注意点は【約1670万色や約1680万色】などの切り捨て表記や切り上げ表記をするメーカーがありますし、誤植という事もあります。ただ現在のモニターは【8bitカラーの約1677万色】が主流です(激安モニターや小型モニター、モバイルモニターは除く)。

以前は26万2144色(6bitカラー)や疑似1677万色(6bitカラー+FRC)が主流でした。今後は約10億7300万色(10bitカラー) が主流になると思いますが、まだ10bitカラーはプロの現場(映像・写真・イラストなどなど)での利用が主です。

【6bitカラー】
(RGB各色6bit)
64 x 64 x 64 = 262,144色【26万2144色
【8bitカラー】
(RGB各色8bit)
256 x 256 x 256 = 16,777,216色【約1677万色
【10bitカラー】
(RGB各色10bit)
1024 x 1024 x 1024 = 1,073,741,824色【約10億7374万色
ハイエンドなモニターは10bitカラーに対応していますが、まだまだ8bitカラーが主流なためモニター購入時には気にしなくてオッケーです。そもそも10bitカラーに対応したコンテンツはまだまだ少数です。ハイレゾ音源よりも普及していません。クリエイター側なら10bitカラーは有効ですが絶対に必要かは人によります。

ちなみに10bitカラーを映すには【モニター・パソコン(GPU)・ソフト・コンテンツ】の全てが10bitカラーに対応していないと映せません(どこか1つでも8bitカラーだと、10bitカラーではなく8bitカラーになります)。

また【高解像度・高リフレッシュレート・10bitカラー】に対応しているモニターで、10bitカラーに設定するとリフレッシュレートが下がる事があります。例えば【WQHD・144Hz・10bitカラー】というスペックのモニターで、10bitカラーに設定すると【144Hzではなく120Hzになる】という感じ。これは144Hzでは映像端子(ケーブル)の帯域幅を超えてしまうため120Hzに下がってしまう、という事です。

今後HDMIやDisplayPortのバージョンが上がれば解決しますが、今後出るであろう【4K・240Hz・10bitカラー】や【8K・144Hz・10bitカラー】などスペックが上がれば、また帯域幅不足は起きます。

【色域】

色域(しきいき / Color Gamut)とは特定の色の範囲を定めたもので【色の規格】という認識でオッケーです。色域には、いくつかの種類があります。簡単にまとめたものが下記。

【sRGB】IEC(国際電気標準会議)が定めた国際標準規格。
【Adobe RGB】アドビが提唱。DTPなどではコチラが標準。
sRGBより広い色域。
【DCI-P3】Digital Cinema Initiativesが提唱。デジタルシネマ向け。
Adobe RGBより広い色域。
【Display P3】Appleが提唱。DCI-P3に準じている。
【NTSC】National Television System Committee
(全米テレビジョン放送方式標準化委員会)が提唱。
sRGBより広く、Adobe RGBと同じぐらいの色域。
【Rec.709】ハイビジョン放送(地デジなど)での色域。sRGBと同じ。
【Rec.2020】4K/8K放送での色域。

パソコンモニターでの色域は【sRGB】【Adobe RGB】【DCI-P3】になります。 【NTSC】も使われる事があります。Apple製品だと【Display P3】。【NTSC】【Rec.709】【Rec.2020】などはテレビでの色域になります。

【sRGB】【Adobe RGB】【DCI-P3】についてもう少し解説します。下の画像は3つの色域のカバーしている範囲を示した物で、各三角形の内側の色を表現できる感じです。面積が大きいほど、カバーしている範囲が広くなっていきます。【sRGB】に対して【Adobe RGB】は緑が広くなり【DCI-P3】は緑と赤が広くなります。【Adobe RGB】や【DCI-P3】は【sRGB】よりも広い色域なので【広色域】と言われます。

色域の画像

気を付けたい事は広色域=高画質ではないという事です。色域は色を合わせるためにあります。 例えばパソコンのモニターに写っている写真をプリンターで印刷した時にモニター上と印刷物で色を一致させるためや、複数人で作業をしていて各自のパソコンのモニター上で色を一致させるなどです。そのためクリエイター以外は気にしなくていい項目と思います。

というのもクリエイター向け以外のモニターの色域は色を合わせるスペックに達していないからです。インチキ表記もあります。それを知るために実際のモニターの色域のスペックの表記【sRGBカバー率sRGB比】を解説します。

色域の画像

上の画像は黒の三角形が【sRGB】で、赤の三角形が【sRGBカバー率80%】を表しています。sRGBカバー率が100%だと黒の三角形と一致します。 カバーしているパーセントなので100%以上はありません。クリエイター向けモニター(カラーマネージメント・モニター)なら99~100%のカバー率がほとんどで、それぐらいのカバー率がないと色を合わせる事はできません。

次に下の画像は黒の三角形が【sRGB】で、青の三角形は【sRGB比100%】を表しています。この場合の比とは面積比なので三角形の面積が同じならズレていても100%となります。 また面積比なので【sRGB比120%】と100%を超える事もあります。sRGB比100%はズレているため色を合わせる事はできません。sRGB比100%の中にはsRGBと一致する物もあるかもしれませんが、もしそうならメーカーはsRGBカバー率100%と表記すると思います (そっちの方が売れる)。

色域の画像

この【比】は色域の色を合わせるという用途では全く信用ならない数値なので無視していい事になります。また【sRGB 80%】と「カバー率」なのか「比」なのか分からない表記の場合も、ほとんどは【比】と思ってオッケーです。上では【sRGB】を例に出しましたが【Adobe RGB】や【DCI-P3】も同じです。

カバー率の高いモニターがクリエイター向けのモニターで色を合わせる事に向いています。一般向けやゲーマー向けのモニターはカバー率が低いです。また色を合わせるにはモニターのキャリブレーションを行う必要があります。本格的なキャリブレーションのハードウェア・キャリブレーションはモニター自体が対応していないと実行できません。モニターのキャリブレーションについては下で解説しています。


次に【sRGB】【Adobe RGB】の特徴を解説します。クリエイターが発表する場に適した色域の解説になります。

◆sRGB
パソコンで制作した作品をWeb上 (インターネット上)で発表するならsRGBカバー率の高いモニターを選ぶ。 Web上とは、Webサイトや動画サイト(Youtube、Netflixなど)、SNS(インスタ、ツイッターなど)、各種投稿サイトなどなどです。

◆Adobe RGB
パソコンで制作した作品を印刷するならAdobe RGBカバー率の高いモニターを選ぶ。 ただ趣味程度ならそこまでこだわらなくてもいいと思います。

ちなみに制作したファイルに色域の情報を埋め込む必要があります。イラスト系なら事前にイラストソフトで設定。写真やビデオで圧縮ファイル (jpgやmp4など)の場合は事前にカメラで設定。RAWなら編集して書き出す時に色域情報を埋め込みます。
色域はクリエイター向けのモニターには重要項目ですが、一般向けやゲーミングモニターにとっては重要項目ではないです。

一般向けやゲーミングモニターはカバー率が低いですし、一般人やゲーマーは「ブルーライトカットをガッツリ入れている」、「輝度や色関係のモニター設定を自分好みにイジっている」、「モニターのキャリブレーションを行っていない」場合が多いので、そもそも色域は気にしなくていい項目となります。

またクリエイターでも趣味なのか商用なのかで色域の重要度は変わりますし、本気で色を合わせようと思ったら【値段の高いモニター】+【キャリブレーションセンサー】+【定期的なモニターのキャリブレーション】が必要になり、かなりハードルは高いです。

【輝度】

輝度(きど / Brightness)は画面の明るさの事で、単位は【nit】か【cd/m2】で、どちらも同じです (1000nit=1000cd/m2)。数字が大きいほど画面を明るくできます。明るいと綺麗に見えますが目の負担は高くなります。

通常のモニターは250~350nit、HDR対応モニターは400nit以上の製品が多いです。

【コントラスト比】

コントラスト比(Contrast Ratio)は、画面の白(最大輝度)と黒(最小輝度)の輝度比の事。静的コントラスト比とも呼ばれます。黒を1として白が1000倍の明るさだとしたら【1000 : 1】という表記になる。数値が大きいほど明暗の差が広くなる。通常のモニターは【1000 : 1】。

注意点は比率なので【最大輝度が500nitで最小輝度が1nitのモニター】と、【最大輝度が250nitで最小輝度が0.5nitのモニター】のコントラスト比は同じ【500 : 1】となる(どちらのモニターが良いかは使用環境(モニター周辺の明るさ)や好みで分かれる)。そのためコントラスト比は輝度とセットで見る。

また【ダイナミックコントラスト比】も白と黒の輝度比を表しますが、コチラはバックライトを制御して測定するため、ぶっちゃげ参考になりませので無視していいです。動的コントラスト比や拡張コントラスト比などとも呼ばれます。

多くの場合、TNパネル、IPSパネルは【1000:1】、VAパネルは【3000:1】となります。

【HDRとDisplay HDR】

HDRは【High Dynamic Range】の略で、ダイナミックレンジ (明暗の比)を従来のSDR (Standard Dynamic Range)より高めた技術がHDRです。SDRでは【白飛び】や【黒潰れ】が起こっていましたが、HDRではダイナミックレンジが上がったためハッキリと見えるようになりました。

下はEIZOのHDR解説ページ の画像。

HDRの画像

HDRには、いくつかの規格があります。簡単にまとめたのが下記です。

HDR10HDR対応などと製品に書かれていたらコレの事。
Ultra HD Blu-ray(略してUHD BD)の規格に採用されたHDR規格。
ロイヤリティフリー。
Dolby VisionDolbyが提唱しているHDR規格。
HDR10よりも表現力は高く、
また1フレーム毎にHDR関係のメタデータを挿入できる。
HLG
(Hybrid Log-Gamma)
NHKとBBCが提唱。
1つの映像データでSDR・HDR両方の機器で違和感なく見られる。
放送データで活用するため互換性を重視したHDR規格。
HDR10+HDR10+ Alliance(家電メーカーや映画スタジオ)が提唱。
HDR10の上位規格。
1フレーム毎にHDR関係のメタデータを挿入できる。
ロイヤリティフリー。
DisplayHDR VESAが提唱。
モニターのHDR機能のグレード(品質)を示す規格。

まずHDRを視聴するには【HDR対応モニターやテレビ】+【HDR対応のコンテンツ(映像/映画やアニメやゲーム)】の2つが必要です。

例えば【HDR10】に対応したテレビを買っても【HDR10対応の映像】でないとHDR機能は実行されません。【HDR10対応の映像】だとHDR機能が実行され、HDRの映像を見る事ができます。映像にHDRのデータも入っていて、テレビはそのHDRのデータを読み取りHDR機能を実行します。 これが【HDR10】【Dolby Vison】【HDR10+】で、PQ(Perceptual Quantization)という方式を採用しています。

HLG】はPQ方式ではなく、規格名そのままのHLG(Hybrid Log-Gamma)方式を採用しています。PQ方式は映像の明るさを絶対値で指定しますが、HLG方式は相対値で指定するためHDRに対応していないSDRのテレビでもHDR対応テレビと似たような映像を見る事ができます。 HLGは、HLG方式のHDRデータを入れた放送データを放送電波にのせます。

HDR10】【Dolby Vison】【HDR10+】【HLG】はブルーレイや動画配信、放送データの【コンテンツ(ソフトウェア)に対してのHDR規格】です。それとは違い【DisplayHDR】は【モニター(ハードウェア)に対してのHDR規格】となります。赤字は【HDR映像信号の規格】で、青字は【モニターの表示性能の規格】。

HDR対応と謳われた製品は一律で同じHDR性能ではありません。優劣があります。例えばリフレッシュレートで言い換えると【120Hzの製品も240Hzの製品も360Hzの製品も】全てひっくるめて【高リフレッシュレート対応】と謳われて売り出されている感じです。これでは消費者は高リフレッシュレートのモニターとは分かりますが、具体的に何Hzのモニターなのか分かりません。

そんな分かりにくいHDR性能をランク分けしたのが【DisplayHDR】になります。下の画像は【DisplayHDR】の各ランクのロゴになり、現在は8つのランクに分かれています。数字が大きいほど性能が上です。 左側5つは【液晶パネルのモニターを対象としたランク】で、右側3つのは【有機ELのモニターを対象としたランク】になります。

Display HDRの画像

数字は最大輝度を表しています。DisplayHDR 400だと最大輝度が400nit (cd/m2)DisplayHDR 1000だと最大輝度が1000nit (cd/m2)となります。実際の画像を見比べると分かりやすいのですが【DisplayHDR 400】と【DisplayHDR 1000】だと全く違います。【DisplayHDR 400】はHDRに対応していますが、そこまでHDRを体感できません。


パソコンで見る映像作品 (Ultra HD Blu-rayや定額動画配信)のHDR対応状況は、多くの作品が【HDR10】に対応しています。【Dolby Vision】【HDR10+】対応作品もどんどん増えています。パソコンゲームでも【HDR10】に対応したゲームタイトルが増えています。

クリエイター側 (映像を作る側)としてはビデオカメラ、スマートフォン共にHDRに対応した製品が多いです。HDRの種類は各製品によって異なります。

【一般向け】【ゲーミング】【クリエイター向け】の各モニター共に、HDRの機能があった方が高画質になりますが値段も上がります。画質を重視する人はHDR対応を、そうでなければHDRの有無は気にしなくてオッケーという感じです。

ちなみにガッツリとHDRを堪能したいなら【DisplayHDR 600】以上のモニターをお勧めします。

【リフレッシュレート】

リフレッシュレート / Refresh Rate】とは、1秒間に何回、映像を描画するか?を表した事柄で単位は【Hz / ヘルツ】になります。60Hzだと1秒間に60回描画し、144Hzだと1秒間に144回描画します。描画する数が多いほど映像は滑らかに表示されます。 要はパラパラ漫画のコマ数が多いか?少ないか?という感じです。

一般向けは【60Hz~75Hz】、ゲーミングは【120Hz~360Hz】、クリエイター向けは【60H~75Hz】が主流で、ゲーミングモニターには重要な項目になります。 120Hz以上のリフレッシュレートが高いモニターの事を【高リフレッシュレート・モニター】と呼び、現在のゲーミングモニターの代名詞となっています。

下はNVIDIA GeForce Japanによる【60Hz / 144Hz / 240Hzを比較した動画】になります。スローモーションなので違いが分かりやすいです。高リフレッシュレートは【映像の滑らかさ】以外にも【残像の軽減】【テアリングの軽減】【システム遅延の軽減】も実現しています。 これを見るとアクション性のある対戦ゲームのプレイヤーに高リフレッシュレート・モニターがまたたく間に広まっていったのが頷けます。「ハッキリと視認しつつ、相手よりも速く気付ける」という事です。

高リフレッシュレートのモニターは、以前NVIDIAが売りにしていた【3D Vison】の副産物として生まれました。【3D Vison】は120Hzのモニターと専用のメガネを使い映像を3Dの立体映像にし、高い没入感を実現した技術です(現在はサポートも終了しています)。そして120Hzのモニターを【3D Vison】として使うのではなく、そのまま【120Hzのモニター】として使ったのが始まりです。

はじめは120Hzが主流でしたが、Dual-Link(デュアルリンク)のDVIケーブルの最大がFHDで144Hzだったので、144Hzを採用する製品が多くなり現在の主流となりました。HDMIやDisplayPortを使えば、より高いリフレッシュレートを実現できるため165Hzや240Hzのモニターを利用できます。さらには360Hz・480Hz・540Hzというモニターもあります。

注意点は高リフレッシュレートのモニターを買うだけではダメで、それに見合ったパソコンの性能が必要となる事です。 高リフレッシュレートのモニターは高リフレッシュレートを映せるだけで、実際に描画しているのはパソコン(GPU)になります。GPUの描画はフレームレートと呼ばれます。重複する部分がありますが下記にリフレッシュレートとフレームレートについて解説します。

【リフレッシュレートとフレームレートについて】

共に1秒間に映像を何回描画しているか?を表していて、リフレッシュレート = フレームレート(Hz = fps)と考えてオッケーです。

◆リフレッシュレート
単位はHz(ヘルツ)。【モニター】が1秒間に映像を何回まで描画できるか?を表す。

数値は固定】60Hzモニターは60Hz以上には設定できない。高リフレッシュレート・モニターだと下の設定に変える事は可能。例えば144Hzモニターだと144Hz・120Hz・60Hzなどと段階的に変更可能となっています。もちろん144Hz以上には設定できません。
◆フレームレート
単位はfps(エフピーエス / Frames Per Second)。ゲームジャンルのFPS(First Person shooter)とは別物で、見分けるためにフレームレートの方は小文字でfpsと書く事が多いです。【パソコン(GPU)】が1秒間に映像を何回描画できるか?を表す。GPUはパソコンのパーツの1つでグラフィックボードやビデオカードなどと呼ばれるパーツです。

数値はGPUの性能なりの数値になる】高性能のGPUだと数値は高くなり低性能のGPUだと数値は低くなります。高性能GPUだと240fps以上出るが低性能GPUだと60fpsを下回るなど。ただし【ゲームタイトル解像度ゲームのグラフィック設定】でもfpsは変わってきます。

例えば、実写の様な綺麗な3Dゲームを高解像度、高設定で144fps以上出したい場合はカナリ高性能なGPUが必要になり、2Dゲームを低解像度、低設定で60fps出ればいい場合はカナリ低性能のGPUでも可能になる、という具合です。

ですので高解像度(WQHD以上)や高リフレッシュレート(144Hz以上)のモニターの性能をフルに引き出すには、それに見合った高性能なパソコン(GPU)が必要となります。
◆モニターとパソコン(GPU)のスペックがちぐはぐな場合。
60Hzのモニターでパソコン(GPU)が240fps以上出していても、モニター上では60Hz(60fps)しか描画できていない事になりますし、144Hzのモニターでパソコン(GPU)が60fps前後しか出していないと同じく60fps(60Hz)しか描画できていない事になります。前者はモニターがスペック不足で、後者はパソコン(GPU)がスペック不足という状況です。
【一般向け】【クリエイター向け】では高リフレッシュレートの恩恵はあまりありません。画面をスクロールした時に滑らかに描画されるぐらいです。

【ゲーミング】では、アクション性のある対戦ゲーム(FPS・TPS・MOBA・RTS)やアクション性の高いタイトル(音ゲーや縦シュー横シュー)などは【高リフレッシュレート・モニター】がお勧めです。 パソコンのスペックが許せば(お金をかけられるなら)240Hzの方がもちろん良いですが、144Hzでも60Hzや75Hzとは別次元です。

FG(格闘ゲーム)は最大フレームレートが60fpsに固定されているため高リフレッシュレートの恩恵はないですが、高リフレッシュレート・モニターは低リフレッシュレート・モニターよりもシステムの遅延が少ないので、その点では恩恵があります。

それ以外のあまりアクション性のないゲームを主にプレイするなら【一般向け】や【クリエイター向け】と同様に60Hzや75Hzで問題ありません。

【応答速度とオーバードライブ】

応答速度とは描画される映像の切り替わる速度を表していて、数値が低いと高速で動いている映像の残像感が低くなり(ぼやけなくなり)、高速で動いた部分をハッキリと視認できるようになります。 これはアクション性の高いゲームなどでは映像(画面全体・画面の一部分の両方)がパッパと高速で切り替わるため、応答速度は大切な項目になります。

名称に速度とあるので表示速度と混同される事が多いです。表示速度とは全くの別物で、応答速度は残像感の度合いを表す数値ですので注意して下さい。 ちなみに表示速度をスペックに表記しているメーカーはありません (モニター自体の性能、CPU・GPUなどのパソコンの性能、マウスやキーボードのインプットラグなど色々な要素の速度を足した物が表示速度なので数値を出すのは難しい)。


現在、スペックに表記する応答速度の種類は4つあります。【応答速度】【GtG】【MPRT】【ClearMR】の4つです。

応答速度(Response Time)】とはモニターの映像が切り替わる速さを表しています。具体的には液晶パネルの【立ち上がり時間(黒➡白)】と【立ち下がり時間(白➡黒)】の両方の時間を足した物(黒➡白➡黒)が応答速度になります。 単位はms(ミリセカンド / ミリ秒)。

ただ映像で「黒➡白➡黒」(0➡100➡0)と切り替わる場面(シーン)はそうそうないため現実的な数値ではないと言われています。通常の映像は「グレー ➡ グレー」(20➡60とか90➡40などなど)の切り替わりです。この0と100ではない中間の数値の切り替わりを示した物が中間階調の応答速度で【GtG】と呼ばれます。単位はms。GtGの表記はメーカーによって異なっていて【中間階調応答速度】【Gray to Gray】【グレー ➡ グレー】【G to G】【GTG】などと色々とありますが同じ事を示しています。

中間階調ではなく実際の映像を使い残像を定量的に測った物が動画応答性能の応答速度の【MPRT(Moving Picture Response Time)】になります。単位は同じくms。VESAが策定、標準化しています。標準化されているという事は測り方など色々と決まりがあるという事です。ただしMPRTはオーバードライブ (後述)や、各モニターメーカーの「モーションブラー軽減機能・黒挿入機能 (下の方で解説)」での残像感を測れないため、残像感を度合いを表す数値としてはまだ足らないという感じでした。

ClearMR】はMPRTの問題もクリアーした新しい指標になります。MPRTと同様にVESAが策定、認証を行っています。残像感を軽減する機能がオンの状態でも測定できる。

4つをまとめたのが下記。

応答速度 (Response Time)
黒➡白➡黒の切り替わりを計測しているため現実的ではないので信頼性に欠ける。

GtG (中間階調応答速度 / Gray to Gray / グレー ➡ グレー / G to G / GTGなど)
中間階調の切り替わりを計測しているためMPRTに次いで信頼できる応答速度。モニターのスペック表記に最も使われています。ただし実用的でないオーバードライブ (後述)を最大にした時の数値を表記するメーカーもあるため他メーカーとの比較には使い辛い。

MPRT (Moving Picture Response Time)
実際の映像を使い計測する。メーカーではなくVESAが認証するため信頼性はあるが、残像を軽減する機能がオンの状態での残像感を測れない。またメーカーは認証するためのコスト増や開発期間が伸びるなどを嫌い認証しない事も普通にあります。

ClearMR
残像感を軽減する機能がオンの状態でも測定できる。現在最も実用的な残像感の度合いを表す指標。ただMPRT同様に認証しない事も多いです。

GtGやMPRTの性能を表す単位は「ms」でしたが、【ClearMR】はランクで性能を表すようになっています。「ClearMR+数値」という表記。数値が高いほど高スペック。

ClearMR一覧表の画像

あくまで目安ですが残像感の度合いとしては、ClearMR 3000は最低限ゲーミングモニターと言える性能 (一般向けモニターよりは高性能)、ClearMR 5000あると標準的なゲーミングモニター、ClearMR 7000以上は高性能なゲーミングモニター、ClearMR 10000以上は超高性能なゲーミングモニターとなります (モーションブラー軽減機能の有無や性能、またリフレッシュレートの高さなどでも変わってくると思います)。

コチラでVESAのClearMRのページに掲載されている認証されたモニターの一覧が見れます。


ちなみにACERのモニターでは応答速度に【VRB 1ms】という表記の製品があります。これはVRB(Visual Response Boostの略でACERでのモーションブラー軽減機能)をオンにした状態での応答速度を表していると思われます (ACER独自の数値)。


次に【オーバードライブ / Overdrive】について。オーバードライブとは、主にGtGを高速化する機能で通常よりも高い電圧をかけて液晶素子の動きを速くし、結果GtGが速くなるという機能です。やり過ぎる(電圧を上げ過ぎる)とオーバーシュートやアンダーシュートという現象が起き、本来の映像にはない色(明る過ぎる色の場合はオーバーシュート、暗過ぎる色の場合はアンダーシュート)が出て、これが残像となります。 そのため設定でオーバードライブを最大にすると、かえって残像が目立ってダメという事もあります。そういう時は中間のオーバードライブ設定にする感じになります。

ゲーミングモニターには重要な項目ですが、一般向けやクリエイター向けのモニターには重要な項目ではありません。

ゲーミングモニターだとMPRTやGtGの数値が公開されていて、その数値の低いモニターがお勧めになります(MPRT=1msやGtG=1msなど)。一般向け、クリエイター向けのモニターでは気にしなくてオッケーです。

残像の軽減は他にもあり、上で解説したようにリフレッシュレートが高いほど軽減されますし、【モーションブラー軽減機能 (黒挿入機能)】が付いているゲーミングモニターだとさらに残像を軽減する事ができます。高リフレッシュレートと同じくeSport系のゲームのプレイヤーに人気な機能です。詳しくは下で解説しています。


【垂直同期】

垂直同期(Vertical Sync)とは、ざっくり言うと【モニターのリフレッシュレートとGPUのフレームレートを同期させる技術】です。 リフレッシュレートが「60Hz」のモニターならフレームレートを「60fps」にしてに同期させる技術。モニターの同期技術とかVRR(Variable Refresh Rate / 可変リフレッシュレート)技術などとも呼ばれます。

では、なぜ同期させるのか?ですが、それは【テアリング / Screen Tearing】を防止するためにあります。テアリングとは、リフレッシュレートよりもフレームレートが【上回ったら起こる現象】で、ある部分を堺に映像がズレて分断されたような映像になります。

フレームレートが速すぎてリフレッシュレートと食い違って起きてしまう感じです。ただしゲームによってはですが垂直同期をオフにしていてもテアリングが起きない場合もあるため必ず起こる現象ではないです。また同じゲームでも起きる場面と起きない場面があったり、ズレる境界線が1本だったり複数だったりと、まちまちです。

テアリングの画像

このテアリングを防ぐのに生まれたのが【V-Sync】です。V-Syncをオンにすると60Hzのモニターだとフレームレートが60fpsに固定されて、リフレッシュレートとフレームレートが同期しテアリングを防止する、という仕組みです。

ただしV-Syncをオンにしていてフレームレートが少しでも60fpsを下回ったら、今度は【スタッタリング / Screen Stuttering】という現象が起こります。映像にカクつきが発生して、カクカクな映像になります。

このスタッタリングを抑制しつつテアリングも防ぐのが、次に生まれた【Adaptive V-Sync】です。下の動画は【V-Sync】では起こっているスタッタリング(カクッカクというカクつき)が【Adaptive V-Sync】では抑制されている、という検証動画です。

【Adaptive V-Sync】は60Hzのモニターの場合、60fpsを維持できている時は【V-Syncをオン】にしテアリングを防ぎ、60fpsを下回った時は【V-Sycnをオフ】にしスタッタリングを抑制します。

【Adaptive V-Sync】はテアリングとスタッタリングを防ぎますが【遅延】が発生してしまうという欠点があります。【V-Sync】も遅延します。この遅延があるためにFPSゲーマーなどのアクション性のある対戦ゲームをプレイするゲーマーのなかでは【垂直同期は切る!!】というのが常識でした。撃ち負けたくないですから。


G-SYNCのロゴ画像

そこで登場したのがNVIDIAの【G-SYNC】です。【G-SYNC】はテアリングもスタッタリングも防ぎ、超低遅延という同期技術。 遅延はG-SYNCオフよりかは遅延はあるがV-Syncなどとは比べ物にならないほど低遅延。注意点はモニターにG-SYNC専用の部品(ハードウェア)が必要で、それを組み込むため値段が高くなるという事です(FreeSyncのモニターより1万~2万ぐらい高くなる)。またAMDのGPU【Radeon】には非対応で、NVIDIAのGPU【GeForce】専用です。 余談ですがNVIDIAとAMDは競合(ライバル)企業です。

FreeSyncのロゴ画像

NVIDIAの【G-SYNC】に対抗すべく、AMDも同じ様な同期技術【FreeSync】を発表します。【FreeSync】は【G-SYNC】と違いモニターに専用の部品を必要としませんし、さらに【FreeSync】に対応していないモニターでもファームウェアのアップデートで【FreeSync】に対応できます。コチラもNVIDIAの【GeForce】には非対応で、AMDの【Radeon】専用です。

【G-SYNC】と【FreeSync】のどちらが良いか?ですが【G-SYNC】の方が性能は上になります。 【FreeSync】は適応されるリフレッシュレートに下限があり、それをフレームレートが下回ったら【FreeSync】は機能しなくなります。下限が35Hzの場合、フレームレートが35fps以下になると【FreeSync】が機能しなくなる、という事です。【FreeSync】の下限はモニターによって変わってくるためコレという数値は出せませんが、だいたい40Hz前後が多いです(30Hz~55Hz)。


G-SYNCとFreeSyncで争っている中、2019年1月にNVIDIAが417.71ドライバ(GeForceを動かすソフト)を公開したのですが、この417.71ドライバには「GeForceでも【FreeSync】が使えるようになったよ!!」という衝撃の内容が入っていました。そしてNVIDIAがGeForceで【FreeSync】がちゃんと機能したモニターにG-SYNC Compatible】という名称を与えています。NVIDIAはGeForceで【FreeSync】が動く3つの条件を提示しています。それが下記。

◆DisplayPortで接続する。(当初はHDMIは不可でしたが、現在ではHDMIにも対応したモニターもあります)
◆GTX10xxのPascal世代(1060とか1080など)以降のGPU。
◆417.71以降のドライバ。

【G-SYNC Compatible】は、NVIDIA公認のGeForceで【FreeSync】が動くモニターですが、だいたいの【FreeSyncモニター】はGeForceで動きます。ただし機能はしても映像に不具合が出る場合があります。そのためGeForceで【FreeSync】を利用したい場合は【G-SYNC Compatible】と表記のあるモニターを買うのが無難です。こちらのNVIDIA公式の【G-SYNCモニターのリスト】ページ で【下の方にG-SYNC Compatible対応モニター】も載っています。

ちなみにDisplayPort1.2a以降のオプション規格の【Adaptive-Sync】、HDMI 2.1の規格内にある【HDMI 2.1のVRR (名称がない)】はFreeSyncの技術を流用した同期技術です。なのでFreeSyncの技術を使った同期技術は【FreeSync】【G-SYNC Compatible】、【Adaptive-Sync】、【HDMI 2.1のVRR】と4つあります。

※【Adaptive-Sync】の名称は【Adaptive V-Sync】と非常に似ていますが別物なので注意して下さい。

【G-SYNC】と【FreeSync】の登場で同期問題は解決した感じですが、もう1つ同期技術はあります。それがNVIDIAの【Fast Sync】と、AMDの【Enhanced Sync】です。共にテアリングを防ぎ低遅延、ただしスタッタリングは防げない、という同期技術です。これは【V-Sync】や【Adaptive V-Sync】と同じくモニターが対応していなくても機能します。手軽に低遅延の垂直同期を利用できるという事です。

いくつもの同期技術が出てきたので、下に簡単にまとめます。

名称テアリング防止対応モニター
スタッタリング防止
遅延
【V-Sync】全てのモニター
遅延あり
【Adaptive V-Sync】全てのモニター
遅延あり
【Fast Sync】
【Enhanced Sync】
全てのモニター
低遅延
【G-SYNC】G-SYNC対応モニター
(専用パーツが必要)
超低遅延
【FreeSync】FreeSync対応モニター
(モニター・メーカーがファームウェアを
アップデートすれば対応可能)
超低遅延
【G-SYNC Compatible】FreeSync対応かつ
NVIDIA公認のモニター
超低遅延
【Adaptive-Sync】
【HDMI 2.1のVRR】
各同期技術対応のモニター
(DisplayPort1.2a以上)
(HDMI 2.1以上)
超低遅延

FreeSync Premiumのロゴ画像

ちなみに【FreeSync】には【FreeSync Premium】という規格があります。これは120Hz以上の高リフレッシュレートに対応したFreeSyncです。実はFreeSyncモニターの中にはリフレッシュレートは144HzなのにFreeSyncが機能するリフレッシュレートの上限は90Hzまでというモニターが存在します。144Hzのモニターを買ったのにFreeSyncを利用する場合は90Hzが上限になってしまうと144Hzモニターを買った意味がなくなります。

そこでAMDはCES2020で高リフレッシュレートに対応したFreeSyncには【FreeSync Premium】という新しい名称を与えると発表しました。ただCES2020は2020年1月開催なので、それ以前に発売されていて高リフレッシュレートにも対応したFreeSyncモニターは当然【FreeSync Premium】ではなく【FreeSync】として売り出されているため、ややこしくなっています。こちらのAMDの公式ページ でFreeSyncについてのモニターのリストがあり調べる事は可能です。

2024年3月5日にAMDはFreeSync認証の要件を上げました。100Hzや120Hzの一般向けモニターが出てきて、240Hz以上やウルトラワイドで高リフレッシュレートのゲーミングモニターがドンドン出てきたからと思われます (今後も上がるかも)。下記がそれで水平解像度はモニターの横のドット長です。フルHDの解像度1920x1080だと1080が水平解像度。

FreeSync水平解像度が3440未満で
リフレッシュレート144Hz以上のモニター
FreeSync Premium水平解像度が3440未満で
リフレッシュレート200Hz以上のモニター
もしくは水平解像度が3440以上で
リフレッシュレートが120Hz以上のモニター
FreeSync Premium Pro「FreeSync Premium」と「FreeSync HDR」の
両方の要件をクリアーしたモニター

G-SYNC UltimateとFreeSync Premium Proのロゴ画像

さらにですが【G-SYNC】には【G-SYNC Ultimate】、【FreeSync】には【FreeSync Premium Pro】という規格もあります。これは垂直同期の技術をさらに向上させた規格ではなく、【G-SYNCモニター】または【FreeSync Premiumモニター】がHDRにも対応していたら【G-SYNC Ultimate】または【FreeSync Premium Pro】となります。【G-SYNC + HDR = G-SYNC Ulitimate】【FreeSync Premium + HDR = FreSync Premium Pro】という事です。

ちなみに【FreeSync Premium Pro】ですが、以前は【FreeSync2】(FreeSync2 HDR)という名称でした。

応答速度と同様にゲーミングモニターでは重要項目ですが、一般向けやクリエイター向けのモニターでは重要な項目ではありません。

ゲーミングモニターだとG-SYNC対応モニターの方が良いですが、FreeSyncより値段は高くなります。そのため絶対にG-SYNCがいい方は【G-SYNC対応モニター】を、そうでなかったら【FreeSync (Adaptive-Sync)や、G-SYNC Compatible対応モニター】という形になります。

ただテアリングは絶対に起こる現象ではないですし、超低遅延ですがG-SYNCでも遅延は起きるため多少のテアリングは我慢して同期は切るという場合や、高リフレッシュレートのモニターではテアリングは起こりにくいため同期は切るという場合も多いため、同期技術の重要度は高リフレッシュレートや応答速度よりかは低くなります。

ちなみにゲーミングモニターとして売られている製品なら、ほぼ【FreeSync (G-SYNC Compatible・Adaptiv-Sync・HDMI2.1のVRR)】には対応しています。一般向けやクリエイター向けでも【FreeSync】に対応したモニターが増えてきました。

【機能について】

モニターには様々な機能があります。全てのユーザーに効果的な【眼精疲労を軽減する機能】の他に、ゲーミングでは【モーションブラー軽減機能】があったり、クリエイター向けでは【キャリブレーション】などがあります。1つずつ見ていきましょう。

【眼精疲労を軽減する機能】

眼精疲労を軽減する機能としては【ブルーライトカット】と【フリッカーフリー】の2つがあります。


まず【ブルーライト】とは【波長が300~500nmの青色光】の事です。

ブルーライトの画像

一般的にブルーライトを長時間浴びていると眼精疲労や睡眠障害などに影響すると言われています。そのブルーライトを軽減する物が【ブルーライトカット機能】です。ブルーライトシールド】や【ブルーライト・リダクション】などと呼ばれる事もあります(メーカーによって名称が異なる)。設定は「オン・オフ」か「数段階から選ぶ」感じです。

ブルーライトカットはモニターでの設定以外にも、グラフィックボード(GPU)やWindowsの設定などでも実行できます。また【ブルーライトカット・フィルム】や【ブルーライトカット・メガネ】などの製品もあります。


次に【フリッカーフリー】ですが、フリッカーとはチラツキの事でフリッカーフリーはモニターのチラツキを抑える機能になります。フリッカーレス】などと呼ばれる事もあります(メーカーによって名称が異なる)。下はASUSの【Flicker-free】のイメージ画像。

フリッカーフリーのの画像

モニターのチラツキ(フリッカー)もブルーライトと同様に長時間見ていると目が疲れるため、チラツキを抑える事で眼精疲労を軽減します。

現在のパソコンモニターならほぼ全て【ブルーライトカット】【フリッカーフリー】の両機能を搭載しているため、モニター購入時には気にしなくていい機能になります。激安のモニターや小型モニター、モバイルモニターなどは搭載されていない事があります。

【モーションブラー軽減機能】

モーションブラーとは、高速で動いている部分がブレて残像になる現象です。表示されているフレームの前のフレームの映像が残り、現在のフレームと重なって表示されて残像が起きます。これは応答速度(GtG)が遅いモニターで顕著に現れますが、速いモニターでも残像はでます。また応答速度(GtG)を高速化するオーバードライブをかけ過ぎたりしても残像は起こります(応答速度(GtG)については上で解説しています)。

このモーションブラー(ブレ・残像)を軽減し、高速で動いている部分の視認性を上げるのが【モーションブラー軽減機能】です。 軽減ですので完全に無くす事はできません。【黒挿入機能】や【モーションブラー・リダクション】などと呼ばれる事もあります。詳しくはZOWIE公式のDyAc解説ページ で。

この機能があると激しい動きのある場面でも視認性が上がるため、FPSゲームでリコイルコントロール中や90度~180度の振り向きの時、画面に映っている敵や味方キャラの高速移動時MOBAゲームで画面端にマウスカーソルを持っていっての高速の画面移動をさせている時や自キャラや敵、味方キャラの高速移動時などに非常に有効です。下の画像はZOWIEの【DyAc】。

DyAcの画像

フレームとフレームの間に黒い画面を挿入する事で残像を軽減しているため、オンにすると画面が少し暗くなります(輝度を上げる事で解決)。メーカーによっては、この機能をオンにすると同時に画面も明るくして暗くなったと感じさせない製品もあります。

デメリットとしては、モーションブラー軽減機能をオンにすると基本的に同期技術やフリッカーフリーがオフになります(同時使用不可)。 基本的にと書いたのは、2020年4月24日に発売されたASUSのゲーミングモニター【VG279QM】は例外で、このモニターはモーションブラー軽減機能(ELMB)と同期技術(FreeSync)を同時利用できる【ELMB Sync】という新機能を搭載しているためです。今後は同時利用が可能なモニターが増えていくと思われます。

フリッカーフリーはオフになるため目が疲れやすくなります (個人差はあると思いますが)。


下は各社のモーションブラー軽減機能の名称をまとめた物。

メーカー名称
ZOWIEDyAC (Dynamic Accuracy)
DyAc+ (Dynamic Accuracy+)
ASUSELMB (Extreme Low Motion Blur)
GIGABYTEAIM STABILIZER
MSIアンチモーションブラー
ACERVisual Response Boost

上記以外にNVIDIA【G-SYNC】には【ULMB (Ultra Low Motion Blur)】というモーションブラー軽減機能があります。G-SYNCをオフにした時にULMBがオンになりモーションブラーを軽減します。G-SYNCとULMBは同時使用できません。 注意点は全てのG-SYNC採用モニターに搭載されている機能ではないという事です。

モーションブラー軽減機能は、主にアクション性のある対戦ゲーム、特にFPSやMOBAをプレイするゲーマーには【高リフレッシュレート・モニター】の次に欲しい機能となります。 アクション性のないゲームを主にプレイするゲーマーや、一般的なソフト (ブラウザ等)やクリエイター向けのソフトを使う場合には恩恵はありません。

【明るさ調整機能】

明るさを調整する事で視認性を上げる機能です。画面を明るくしゲーム内の暗い部分を見えやすくする、というそのままな事。下の画像はASUSの【Shadow Boost】。

Shadow Boostの画像

ただたんに輝度を上げているのではなく、明るい部分をできるだけ明るくせずに暗い部分を明るくする感じです。 ぶっちゃげ明るい部分も明るくはなりますが。


下は各社の明るさ調整機能の名称をまとめた物。

メーカー名称
ZOWIEBlack eQualizer
ASUSShadow Boost
DELLDark Stabilizer
GIGABYTEBLACK EQUALIZER
MSIナイトビジョン
I-O DATANight Clear Vision
ACERBlack Boost
明るさ調整機能はゲーミングモニター向けの機能です。非常に有効な機能とは言い難いですが、ゲーミングモニターにはほぼ搭載されている機能なので機能をオン・オフさせて好みの方を選ぶ感じで良いと思います(この機能をオンで明るくするか、単純に輝度を上げて明るくするか、GPUの設定やゲーム内設定での明るさ調節で明るくするか等)。

【表示機能】

表示機能とは画面上に【レティクル (照準点)】【フレームレート】【タイマー】などを表示する機能です。下の画像はASUSでの【レティクル (照準点)】と【フレームレート】を表示している画像。

表示機能の画像1
表示機能の画像2
表示できる物の種類。

レティクル (照準点)
画面中央にレティクル (照準点)を表示し、狙い易いようにする。

フレームレート
画面端にリアルタイムのフレームレート(fps)を表示する。

タイマー
画面端にタイマーを表示し、時間の経過を知らせる。

目盛り
画面の上下左右に目盛りを表示し、モニターを複数台並べる時に高さや横幅を合わせ易くする。

CPUとGPUのメーター
画面端にリアルタイムのCPUとGPUの稼働率・クロック数・温度・ファン回転数などを表示する。

下は各社の表示機能をまとめた物。

メーカー名称種類
ASUSGamePlus【レティクル】【フレームレート】
【タイマー】【目盛り】
DELLゲーム向上モード【タイマー】【フレームレート】
GIGABYTEGAME ASSIST【レティクル】【フレームレート】
【タイマー】【目盛り】
DASHBOARD【CPUとGPUのメーター】
MSI名称なし【レティクル】【フレームレート】
【タイマー】
HP名称なし【レティクル】【フレームレート】
【タイマー】【目盛り】
ACERAim Point【レティクル】
表示機能はゲーミングモニター向けの機能です。あれば便利な機能ですが、ソフトを使ったり、ゲーム内に表示できる設定があったりするため必須な機能ではないです。

【モニターのキャリブレーション】

モニターのキャリブレーションとはモニターの色を調整する事です。 「なぜ調節するのか?」ですが、モニターに映っている写真やイラストをプリンターで印刷した時に同じ色にするためです。※色域で解説した事と重複する部分があります。

リンゴの画像

スマホやデジカメで写真を撮り、それを印刷した事のある人なら「あれ?なんか色味が違うなぁ、まぁいいけど」という経験をした事があると思います。一般用途ならそれでいいですが、それが商品だとマズいのでキャリブレーションが必要になります。他にも複数人で作業している場合も同じ色を見ていないといけないので各自のモニターをキャリブレーションして色を合わせます。

ただ写真やイラストなどのクリエイター全員がキャリブレーションが必要かと言われるとノーとなります。カラー物を印刷して売るなどの商用だと必要ですが、SNSや投稿サイトに出すだけなら好みの問題になります。

もちろんやった方がいいですが、作品の発表が印刷物でなくモニター(パソコン・スマホなど)に映す物だと、見る環境が人それぞれなので作家の意図した色とは違ってきます。人それぞれというのは【激安モニター~高級モニターや、スマホ・パソコン・タブレット・テレビなどのハードの違い】【輝度や色関係の設定の違い】【キャリブレーションの有無】など見る環境が様々あるという事です。印刷物だと手にした人全員が同じ色を共有しますがモニターは違います。 同じ動画を見ているのに「自分のスマホと隣の人のスマホでは色味が違うなぁ、まぁいいけど」という経験をした人は多いと思います。違うメーカーや型番のモニターを2枚、3枚並べて使用していると分かりやすいです。

モニターのキャリブレーション機能はクリエイター向けのモニターに必要な機能で、一般向けやゲーミングのモニターには恩恵はありません。色鮮やかになるとかではなく、色を基準 (色域)に合わせる機能です。

【ソフトウェア・キャリブレーションとハードウェア・キャリブレーション】

キャリブレーションには【ソフトウェア・キャリブレーション (以下SWC)】と【ハードウェア・キャリブレーション (以下HWC)】の2つがあります。HWCの方が正確に色を調整可能。

名称からSWCはソフトを起動してキャリブレーション・ボタンを押せば自動でキャリブレーションやってくれる感じを受けますが、SWC・HWCの両方共に【キャリブレーション・センサー】という専用の機器が必要になります。下はその専用機器【キャリブレーション・センサー】の画像。

キャリブレーション・センサーの画像

違いは【SWCはパソコン(GPU)の階調を調節】し、【HWCはモニターの階調を調節】します。要はHWC対応のモニターは階調を調節する専用パーツがモニターに備わっています。 カラーマネージメント・モニターの上位機種はHWC対応で、下位機種はHWC非対応になります。

SWCはHWCよりは正確に色を調整できませんが、パソコン(GPU)を調節するためクリエイター向け以外の一般向けやゲーミングのモニターなどパソコンと接続できるモニターなら、どんなモニターでも実行する事ができます。

下はSWCとHWCのメリット・デメリットです。

◆ソフトウェア・キャリブレーション
【⭕】どんなモニターでもキャリブレーションできる (パソコンとの接続は必要)。
【❌】GPUの階調を調整するので正確さに欠ける。
【❌】手動で設定するので人によってバラつきが起こる。安定しない。

◆ハードウェア・キャリブレーション
【⭕】モニターの階調を調整するので正確な色になる。
【⭕】自動で設定するので誰がやっても簡単で同じ結果になる。
【⭕】セルフキャリブレーションモデルならスケジュール設定で自動実行可能。
【❌】HWC対応モニターが必要。値段が高くなる。

【キャリブレーション・センサー】

モニターのキャリブレーションを行うのに必要な機器が【キャリブレーション・センサー】になります。

【Calibrite製のキャリブレーション・センサー】が有名です。元はX-Riteのi1 Displayシリーズという製品でしたが2021年7月に終息。CalibriteがX-Riteとライセンス契約をして引き続き販売開始。リブランドしたため製品名は変更されて【i1 Display Pro】が【ColorChecker Display Pro】などとなっています。製品に「POWERED BY x-rite」と刻印されています。

広色域モニターなどで有名な国産モニターメーカーの【EIZO】はCalibrite製のセンサーも使用できますが、自社製のセンサー (EX4)もあります。

モニターによって対応キャリブレーション・センサーとソフトが決まっているので取扱説明書などを見てからセンサーを導入して下さい。 モニターの中には【センサー付属のモニター】があったり、【センサーをモニター内に内蔵しているモニター】もあります。

キャリブレーションのやり方を簡単に書くと

1⃣ モニターとキャリブレーションを接続。
2⃣ キャリブレーションをモニターに設置。
3⃣ ソフトを実行させる。
【HWCの場合は自動で設定】され、【SWCの場合は手動で設定】していきます。

ちなみにモニターを使用していると階調がズレていくためモニターを200時間使用したら再度キャリブレーションを行う必要があります。 1日8時間モニターを使用する場合は25日毎に、1日4時間モニターを使用する場合は50日毎にキャリブレーションする感じです。自動で設定してくれるHWCは楽です。


【遮光フード】

遮光フードの画像1
遮光フードの画像2

遮光フードは照明などの光がモニターに反射しないようにするためにあります。光を遮るので遮光フードです。モニターに光が反射すると、反射している部分の色が少し変わって見えたり、映っている物が見えにくくなったりします。 遮光フードを付ける事で光の反射を遮り、色の変化や見えにくいを防止します。

遮光フードはモニターに付属してきたり、オプション品であります。ほとんどのモニターに対応した汎用の遮光フードも売られています。上の画像のようにピボット時(90度回転時)にも対応した遮光フードもあります。

高額な広色域モニターを買い、ハードウェア・キャリブレーションしているガチのクリエイターには有用なアイテムです。そもそも高額な広色域モニターには遮光フードが付属している事が多いです。一般の人やゲーマーにはあまり恩恵のないアイテムです。

【周辺機器との接続】

映像端子と電源端子しか付いていないモニターもありますが、多くのモニターにはそれ以外の端子も付いていて様々な周辺機器と接続する事ができます。ヘッドセットやスピーカーに接続する【オーディオ端子 (3.5mmミニプラグ)】、USBハブ機能を備えた【USB端子 (USB-A・USB-C)】が最も多く、他にも【KVM機能が付いたUSB Type-C端子(USB-C)】【USB-PD対応のUSB Type-C端子(USB-C)】があったり、ネットと接続する【有線Lan端子】、モニターを数珠繋ぎするDisplayPort MST用の【DisplayPort出力端子】があったりします。

端子ではないですがヘッドセットなどを掛ける事ができる【ハンガー (フック)】のあるモニターもあります。

その他の接続の画像

上の画像は【DELLのU3223QEの下部】と【ZOWIEのXL2746Sの側面】。


映像と電源以外の端子は付加価値なので値段の高いモニターほど色々な端子が付いてくる傾向です。下記はそれぞれの端子の解説。

オーディオ端子 (3.5mmミニプラグ)
アナログ接続のヘッドセットやヘッドフォン、スピーカーなどを接続できます。

USB端子 (USB-A・USB-C)
モニターにUSBハブ機能が内蔵されていてUSBハブとして使用できます。マウスやキーボード、USBメモリなどのUSB製品を利用可能になります。

KVM機能がついたUSB Type-C端子 (USB-C)
1つ下で解説しているKVM機能が付いたUSBハブ

USB-PD対応USB Type-C端子 (USB-C)
60Wや90Wなどの給電に対応した給電端子。ノートパソコンとモニターを1本のUSB-Cケーブルで接続するだけで、モニターはノートの外部モニターとなりつつモニターからノートへの充電もできるようになります。USBハブ機能も兼用している事が多い。

有線Lan端子
有線Lan機能をも搭載したUSBハブ。ドッキング・ステーションをモニターに内蔵させた感じ。パソコンとはUSB-Cで接続する事が多いです。

DisplayPort MST用のDisplayPort出力端子
【HDMI】と【DisplayProt】のページで解説している DisplayPort MST用のDP端子です。数珠繋ぎにモニターを接続できます。
便利な機能ではありますが、モニターの必須機能ではなく付加機能なので必要か?不必要か?は人それぞれになると思います。もちろんあれば便利ですが、あっても使わないという事も多いかと。

【KVM機能】

KVM機能とは【1組のマウス・キーボード・モニター】で複数のパソコンを操作できる機能の事です。同時に操作はできず切り替えながら使用します。パソコン毎にマウス・キーボード・モニターが必要なくなり省スペース化できます。もともとKVMスイッチという周辺機器があり、それをモニターに内蔵させた物です。

KVM機能の画像

KVMスイッチはデータセンターなど多数のサーバーを操作するのによく使用されています。KVMは「Keyboard・Video・Mouse」の頭文字。一般的な用途としては【1組のマウス・キーボード・モニター】を【ゲーム用やクリエイター用のデスクトップパソコン】と【仕事用やモバイル用のノートパソコン】とで共有する感じです。

注意点としモニターのKVM機能はパソコンの接続数は2~3台までで接続方法に制約があったりしますので、KVM機能目当てでモニターを買う場合は公式サイトにある取扱説明書を見て、具体的にどう接続するのか、どう接続できるのかを確認した方が良いです。

かなりニッチな機能ですが欲しい人には必須の機能となります。ただ単体のKVMスイッチだと、もっと多機能かつ柔軟な接続が可能になったりします。

【スピーカー】

モニターの中にはスピーカーが内蔵されている製品も多いです。ただテレビに搭載されているスピーカーと違い、モニターに搭載されているスピーカーの性能は良くありません。

中にはそこそこなスピーカーを搭載したモニターもありますが、ほとんどはおまけ程度で付いているスピーカーと思って下さい。

【PIP機能】と【PBP機能】

別々の機器(パソコン+ゲーム機やゲーム機+TVなど)からの映像(2つの映像)を1枚のモニターに映す分割表示機能。【PIP(ピクチャー・イン・ピクチャー)】と【PBP(ピクチャー・バイ・ピクチャー)】があり、PIPはメインとサブ(小画面)、PBPは画面を2分割や4分割にして表示させます。

PIP機能とPBP機能の画像
便利な機能ではありますが、非常にニッチな用途です。

【その他】

【位置調節とモニタースタンドとVESA規格】

モニターは【高さ】【ピボット(90度回転 / Pivot)】【チルト(垂直角度 / Tilt)】【スイベル(水平回転 / Swivel)】の4つの位置調節が可能です。


高さ調整とピボットの画像

高さ】はモニターの高さを調整し、【ピボット(90度回転)】はモニターを縦に回転できる機能です。 ウルトラワイドモニターは横幅が非常に長いためピボット機能はありません。曲面 (湾曲)モニターは縦にすると違和感が凄いのでコチラも対応していません。ウルトラワイドモニターや曲面モニターを縦で使いたい場合はモニターアームが必要になります。


チルト調整の画像

チルト】はモニターの垂直角度を調整する機能で、モニターが上を向く・下を向く感じ。


スイベル調整の画像

スイベル】はモニターの水平回転を調整する機能で、モニターが左右に首を振る感じ。


上記の位置調節を可能にしているのが【モニタースタンド】になります。

モニタースタンドには2種類あります。1つはモニターの下部に付いている下部スタンド、もう1つはモニター裏の中央に付いている中央スタンドです。下位グレードのモニターには下部スタンドが多く、上位グレードのモニターには中央スタンドが多いです。

中央スタンドの方は【高さ調節・ピボット・チルト・スイベル】の全ての位置調節が可能ですが、製品によってはピボットや高さ調節ができない中央スタンドもあります。下部スタンドは【チルト】のみが多いです。ただモニターアームを使用する場合は両方ともモニタースタンドを取り外すため優劣がなくなります。

モニタースタンドの画像

VESA規格(VESAマウント規格)】とは、主にモニターアームを取り付けるために定められた規格です。4つのネジを使いモニターにモニターアームなどを設置する事ができます。大きさは【100mm x 100mm】が主流ですが、大型のモニターでは【200mm x 100mm】や【200mm x 200mm】などもあります。現在はほとんどのモニターがVESAマウント規格に対応しています (モバイルモニターや激安のモニターは非対応の場合があります)。

下の画像はI-O DATAでのVESA規格の解説ページ の画像です。

VESAマウント規格の画像

またモニターアームの他にも【モニタースタンド】があったり、【VESA規格に対応した小型PCケースやベアボーン】があり、それをモニターに設置すれば一体型パソコン風にできたりします。

VESAマウント規格対応製品の画像
ピボット(90度回転)の利用やグリグリとモニターを調節したい人は中央スタンドのモニターを、そうでない人は下部スタンドのモニターとなりますが、【一般向け】【ゲーミング】【クリエイター向け】共に下位モデルには下部スタンド、中位や上位モデルには中央スタンドになっている場合が多いです。

またもっと細かくモニターを調節する場合はモニターアームを利用するため、どんなスタンドが付属していても関係なくなります。

【ベゼル】

ベゼル(Bezel)とはモニターの【縁の部分】の事を指します。このベゼルが薄い場合は【スリムベゼル】【ベゼルレス】【ゼロフレーム】【フレームレス】などと呼ばれます(メーカーによって違う)。モニターの性能には全く影響しない項目です。 違いを書くと、ベゼルが厚いと耐久性が高いため設置中にどこかにぶつけても多少は大丈夫な感じ (限度はありますが)。見た目は古さを感じる。逆に、ベゼルが薄いと見た目が非常にスッキリとした印象を受けるため製品を手にした時の満足度は高いです。耐久性は低い。

下の画像はACERのモニターで普通サイズと薄型のベゼルの比較。

ベゼル比較の画像
ベゼルについては「全く同じ性能のモニターでベゼルの厚さだけが違うモニター」という物はないので気にしないくてオッケーです。ベゼルの厚さは上の画像のように並べて比較しない限り気にはなりません。

【OSDの操作方法】

まずOSD (On Screen Display)とは画面上に出る操作パネルの事です。OSDを操作する事で【色や輝度、様々な機能などなど】を設定します。 下の画像はZOWIEモニターのOSD。

OSDの操作パネルの画像

そしてOSDの操作方法ですが、通常はモニター本体の【下部、側面、背部】などにボタンがあり、それをポチポチと押す事で設定します。操作性は悪く腕が疲れます。

OSDの操作ボタンの場所の画像

操作性向上や素早く操作できるように【有線リモコンや無線リモコン】で設定するモニターもあります。下の画像は左から【ZOWIEのS.Switch】、【BenQのHotkey Puck G2】、【I-O DATAの無線リモコン】になります。ZOWIEはBenQのゲーミングブランドなので見た目が違うだけで操作法などは同じです。

OSD用のリモコンの画像

また最近では【設定用の専用ソフトウェア】があり、ソフト上 (マウスやキーボードで操作)で設定するモニターもあります。下の画像は左が【GIGABYTEのOSD Sidekick】、右が【BenQのDisplay Pilot】。

OSDソフトウェアの画像
OSD設定は頻繁に行う設定ではなく1度設定したら再度設定する事はまずなく、あるとしてもモードを変更するだけの操作が多いため、どのOSDの操作方法でも良いとは思います。ただリモコンや専用ソフトがあると、やはり便利です。

【モニターの付属品】

付属品は【映像ケーブル・電源ケーブル】が基本です。中には【USBケーブルやオーディオケーブル(ミニプラグ)】が付属される事もあります。ACアダプターをモニター内に内蔵していないモニターには【ACアダプター】も付属します。またリモコンがあるモニターには【有線or無線のリモコン】が付属し、カラーマネージメント・モニターの上位モデルには【遮光フードやキャリブレーション・センサー】が付属します。

注意点はHDMIで接続するつもりだったが付属したのはDisplayPortケーブルだけだったり、激安のモニターには映像ケーブル自体が付属しない製品があったりします。 別途ケーブルを購入すれば解決しますが想定外の出費になりますし、モニターが届いてもすぐに使えない状況に陥ります。

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